脳梗塞のゲシュタルト、症例集

脳幹に存在する脳神経の核(神経の中枢)は、以下のように主に中脳、橋、延髄に分かれて分布しています。部位ごとに代表的な脳神経を示します。


Contents

■ 中脳(Midbrain)

  • 動眼神経(III):動眼神経核、エディンガー・ウェストファール核(副交感)
  • 滑車神経(IV):滑車神経核

→ **中脳被蓋部(tegmentum)**に存在。


■ 橋(Pons)

  • 三叉神経(V):主感覚核、運動核、脊髄路核
  • 外転神経(VI):外転神経核(PPRFと近接)
  • 顔面神経(VII):顔面神経核、上唾液核
  • 内耳神経(VIII):蝸牛神経核、前庭神経核群

→ 特に下部橋に顔面・外転神経が密集。


■ 延髄(Medulla oblongata)

  • 舌咽神経(IX):孤束核(感覚)、疑核(運動)、下唾液核(副交感)
  • 迷走神経(X):同上
  • 副神経(XI):疑核、脊髄副神経核(上部頸髄)
  • 舌下神経(XII):舌下神経核(正中に近い)

→ 延髄背側(後方)に多く分布し、正中線近くに舌下神経核が位置。


■ 図にすると:

前から順に(中脳 → 橋 → 延髄)の順で、

  • 中脳:III, IV
  • :V, VI, VII, VIII
  • 延髄:IX, X, XI, XII

必要であれば、脳幹における核の位置関係を図示したイラストも用意できます。ご希望ですか?

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あなた:

いちとには?

ChatGPT:

「Ⅰ(嗅神経)」と「Ⅱ(視神経)」は、他の脳神経とは異なり脳幹には存在しません


■ 嗅神経(Ⅰ)

  • 起始部位:嗅球(olfactory bulb)、嗅索(olfactory tract)
  • 位置前頭葉の下面(嗅球は嗅溝に位置)
  • ※嗅神経は厳密には「末梢神経」ではなく、中枢神経の延長とみなされることもあります。

■ 視神経(Ⅱ)

  • 起始部位:網膜 → 視神経 → 視交叉 → 視索 → 外側膝状体
  • 位置間脳(視床の前方)から大脳へ向かう経路
  • ※視神経も中枢神経の延長であり、髄鞘がオリゴデンドロサイト由来です(他の脳神経はシュワン細胞)。

まとめ:脳神経の起始部(ざっくり)

神経起始部備考
I 嗅神経前頭葉(嗅球)脳幹に含まれない
II 視神経間脳~視床脳幹に含まれない
III~XII中脳~延髄脳幹内に核がある

必要であれば、神経の起始部と走行を図にまとめることもできます。ご希望ですか?

あなた:

脳梗塞のそれぞれの梗塞部位によって具体症例の代表をいくつか書いてみて

ChatGPT:

以下に、脳梗塞の部位ごとの代表的な症候と具体的な症例像をまとめました。各部位ごとに、障害される神経構造や血管支配、典型的な症状、具体例を紹介します。


1. 中大脳動脈(MCA)領域梗塞

■ 血管:中大脳動脈(middle cerebral artery)

■ 主な障害部位:一次運動野・感覚野(特に顔面・上肢)、ブローカ/ウェルニッケ領域、内包後脚など

■ 症候:

  • 片麻痺(顔面・上肢優位)
  • 失語(左側優位病変)
  • 半盲(同名半盲)
  • 注意障害・半側空間無視(右側優位病変)

■ 具体例:

  • 72歳男性:高血圧と糖尿病あり。右片麻痺と構音障害、左頭頂葉MCA枝梗塞。MRIで皮質下〜島皮質に高信号。ブローカ失語あり。

2. 前大脳動脈(ACA)領域梗塞

■ 血管:前大脳動脈(anterior cerebral artery)

■ 主な障害部位:前頭葉内側、補足運動野、帯状回

■ 症候:

  • 下肢優位の対麻痺
  • 無動・無言(abulia)
  • 尿失禁
  • 失行

■ 具体例:

  • 68歳女性:下肢脱力と意欲低下で来院。左ACA領域の皮質梗塞。日常会話が乏しく、無動無言状態。抗血小板療法で改善。

3. 後大脳動脈(PCA)領域梗塞

■ 血管:後大脳動脈(posterior cerebral artery)

■ 主な障害部位:後頭葉、視床、海馬

■ 症候:

  • 同名半盲(後頭葉)
  • 視覚失認、視覚失語(左側)
  • 記憶障害(海馬)
  • 視床症候群(視床梗塞)

■ 具体例:

  • 75歳男性:右側視野の欠損訴え、PCA左側枝の梗塞。MRIで後頭葉内側の拡散制限。視覚失認あり、読字不能。

4. 穿通枝(ラクナ梗塞)

■ 血管:レンズ核線条体動脈、視床穿通枝など

■ 主な障害部位:内包、視床、橋基底部

■ 症候:

  • 純粋運動障害(内包後脚)
  • 純粋感覚障害(視床)
  • 運動・感覚混合障害(橋)

■ 具体例:

  • 80歳男性:既往に高血圧、糖尿病。突然の右上下肢麻痺。内包後脚に小梗塞。意識障害や皮質徴候なし。ラクナ梗塞と診断。

5. 脳幹梗塞(中脳・橋・延髄)

■ 血管:脳底動脈、椎骨動脈、穿通枝(短・長円蓋動脈)

■ 症候(部位ごとに):

中脳(例:ウェーバー症候群):

  • 動眼神経麻痺 + 反対側の上下肢麻痺

橋(例:ミラード・グブラ―症候群):

  • 顔面神経麻痺 + 対側の片麻痺

延髄(例:ワレンベルグ症候群):

  • 小脳失調、温痛覚障害(対側体幹+同側顔面)、嚥下障害、ホルネル症候群

■ 具体例:

  • 78歳女性:嘔気とふらつき、左顔面のしびれ、右半身の温痛覚障害。MRIで右外側延髄の梗塞。ワレンベルグ症候群と診断。

6. 小脳梗塞(SCA, AICA, PICAなど)

■ 血管:上小脳動脈(SCA)、前下小脳動脈(AICA)、後下小脳動脈(PICA)

■ 症候:

  • 小脳失調(歩行障害、四肢の協調運動障害)
  • 回転性めまい、悪心
  • AICA:顔面神経症状、聴覚障害

■ 具体例:

  • 65歳男性:回転性めまい、左方向へのふらつき。MRIで左PICA領域の小脳半球に梗塞。歩行時にワイドベースで体幹傾倒。

7. 視床梗塞(PCA穿通枝)

■ 主な症候:

  • 純粋感覚障害
  • 視床痛(灼熱痛)
  • 意識障害(網様体との連携障害)

■ 具体例:

  • 70歳女性:右側のしびれと灼熱痛。視床皮質連絡枝の穿通枝梗塞。慢性期に視床痛が遷延し、プレガバリン使用。

ご希望があれば、解剖図や血管分布マップなども作成可能です。どの部位をさらに詳しく解説しましょうか?

あなた:

視力障害ってあんまり非典型的?

ChatGPT:

視力障害は**脳梗塞の症状としては「非典型的に見えるが、実は典型的な所見」**です。ただし、見逃されやすく、訴え方も曖昧なため、臨床ではしばしば見過ごされたり、「眼科的異常」と誤解されがちです。


【視力障害が出る脳梗塞のパターン】

起こる障害病変部位主な血管特徴
同名半盲(視野障害)後頭葉後大脳動脈(PCA)左右で同じ視野が欠ける。患者は気づかないことも多い
皮質盲両側後頭葉両側PCA両目とも全盲だが、眼球自体は正常(対光反射あり)
視覚失認(Anton症候群)両側後頭葉+連合野両側PCA見えていないのに自覚がない。「見えている」と言う
視神経障害(まれ)前視神経前脈絡叢動脈 or 内頸動脈基本的に中枢神経疾患では少ない。むしろ炎症性や虚血性視神経症の領域

【なぜ非典型に見えるのか?】

  • 意識障害や麻痺がない → 救急疾患として認識されづらい
  • 高齢者では訴えが曖昧 →「なんとなく見にくい」「テレビが見づらい」
  • 自己の視野欠損に気づかない → 「壁にぶつかる」「食事を残す」などで周囲が異変に気づく

【症例例:左後頭葉梗塞】

  • 75歳男性:突然「右側がよく見えない」と訴え。眼科受診したが異常なし。
  • 神経学的診察で右同名半盲を指摘。
  • MRIで左後頭葉のPCA領域梗塞と判明。
  • 内科的には高血圧と心房細動が背景。

結論:

視力障害(視野障害)は**「非典型っぽいけど典型的な脳梗塞症候」**の一つであり、見逃しやすいため注意が必要です。高齢者で「片側が見づらい」「何かにぶつかる」といった訴えには、PCA領域の梗塞を必ず想起しましょう。

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Dr.こうじろう
1992年生まれ、関西出身。幼少期の喘息経験から医療に興味を持ち、地元大学の医学部を卒業後、研修医を経て総合診療医として地域医療に貢献。医療と介護の連携を重要視し、経済やマネジメントの知識も学びつつ、「最適化された医療を提供する」ことをモットーに従事する。趣味は筋トレ、テニス、ウイスキー収集。医療に関するニュースや日々の診療ですぐに実践できる知識を発信するブログ。